博士の悲しい転職 または私は如何にしても嘆くのをやめて転職を志す様になったか

2018年4月2日が来る。

私が社会人になってから丸2年がすぎた。
来週の月曜日から3年目が始まる。

私は2年間何をしていたのだろう。
なぜ転職を考えるようになったのだろう。

マイノリティや女性には「ガラスの天井」があるという。
でも、私がぶつかったのはガラスなんて透明で、
もしかしたら見逃してしまうような天井ではなかった。

鉛みたいに重くて、私を押し潰す、そしてはっきりと目に見える絶望感のある天井だった。

この記事の要約

  • とある女の子が会社に入社しました。
  • 普通に男子だけコストをかけて育成する感じの会社でした。女の子は「辞めるっしょ〜」みたいな。
  • いやいや、正直その態度やから、女の子辞めるんちゃうん……と思わなくもない。
  • 私の心の中にレントン・サーストン降臨(詳しくはエウレカセブン参照)。 レントンは叫んだ!「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」
  • 私も叫んだ!「そうよね!レントン。私、会社にねだるのはやめる!だから、私、転職する!」

入社前(2015年夏)

今の制作会社に入ることにして就活を終えた私は人、事担当から色々な話を聞いた。
制作志望だということを話した時、人事の人はこう言った。
「女の子は営業にならないから安心していいよ」

少し違和感を覚えたが、私はスルーした。なんせ営業にはなりたくなかった。
好都合かなと思ったが、これが弊社人事の基本姿勢であることに後々気がつくのであった。
社外は男、社内は女。

2年前の4月。(2016年春〜夏)

制作会社に入りたての心に曇りのない私は純粋に楽しかった。

毎日何かを作る仕事につけた。制作部門に入った。
ちょっとした簡単な修正もデザインも楽しかった。
PhotoshopDreamweaverを扱って、新しい知識が増えていくのが楽しかった。

デザインは楽しいけど、
センスはあんまりないな(遊びのデザインをするのがすごく苦手)と思ったので、
コーダーになりたいと思った。

そのころは謎のブラック気質で朝9時から午後9時まで会社に居ろと言われていて、
それはそれで……と思っていたけれど、仕事は楽しかった。
むちゃくちゃ単純作業でもね。

2年前の10月。(2017年秋〜冬)

10月のある日、「異動です」と言われた。異動の3日前くらいだった。
制作部門から企画部門へ異動になった。
と言っても、同じフロア内だけど。

移動距離は小さくても、仕事の内容は全く違って。
最初は出来る事がなさすぎて暇すぎて死ぬかと思った。

とはいえ、1月には旅行会社のLPページのワイヤーフレームとか作っていたな。
今思うと楽しかった。

この頃から、弊社ワンマン社長の女性軽視には薄々気が付いていたけれど、
女性のリーダーもいるし、あまり気にしていなかった。

特にリーダー陣はいい人が多い。
今思うと、圧政の中で細々と生きる市民が結託しているのに近いかもしれない。
リーダーは圧政の中で部下を常に守ろうとしてくれている。

そしてまた異動。
この時思う。異動のスパンが短すぎて何もできるようになってない……。

去年の2月。(2018年春〜2018年秋)

案件を管理する部門に異動になった。制作会社ではおなじみ、Webディレクションと言ったところだ。
マネジメント職 means 昇進。
そう思う人もいるかも。でもこれが地獄の始まりだった。

さて、弊社は素敵なシステムを導入している。
お客さんと案件のマネジメントをする社外ディレクションと、
制作過程のマネジメントをする社内ディレクションに役割分担して、
大きい案件は二人で担当する。

Sounds goodである。
案件が大きくなればなるほど、一人のディレクターで回すのは実際不可能に近い状況になる。
理にかなっている。

ダガシカシ。問題がある。
それは、社内ディレクションは全員うら若き女性であるということ。ジーザスクライスト。
そして、社外ディレクションは全員男性であるということ。ジーザスクライスト。

そう、100パーセントの確率で、そうなのだ。一点の破綻もない。素晴らしいね。

とはいえ、まだまだ1年目のペーペーは日々の仕事で手いっぱいで、 しかも超大型案件の雑用係としてアサインされ、日々の圧倒的な細々した雑用にそんなことを考える余裕はなかったのだ……。

去年の12月(2017年冬〜2018年春)

一緒に仕事をするディレクターが変わった。
ここからが私の精神の転落の始まりである。

今まで一緒に仕事をしていたディレクターは、仕事ができない、と思ったことはなかった。
アホちゃうかと思うことはあっても、基本的に信頼していた。
(もちろん職歴の長さの違いは大いにあるが。9年目とかだもの)

けれど、変わってからは絶望的だった。
基本的に彼は自分でチェックはしない、私が全部チェックする。
抜け漏れがないか、肝を冷やし続けるのは私ばかりで、
彼は「わ〜、大変〜^^」みたいなスタンス。
いや、ええねんけどな。

正直案件を進めたのは私なのでは?という気持ちがかすめる。

客先に送るメールをまとめて下書きを送り、
ディレクターはそれを転送すれば済むのに、その転送は何故か翌日。

遅い。遅いぞ、君!!
予定では明日からなんだけどな!その作業は!
というか、回答を先方からもらってたなら共有してよ!
あと社内フロー上無理なことをホイホイ受けて来ないで欲しい!

いや、なんもしてない訳ちゃうのは知ってるで!
でも、お客さんとの窓口はあなたで、私ではない。
私の立場上、できないことなんです。

やれって言ってくれればやる。っていうか、やりたい。
私にやらせてください。

このように日々の不満は積み重なり、
気がつけば椅子を投げつけるみたいにしまい、
ドアを蹴飛ばし、会社のトイレのトイレットペーパー殴りつけ、
最後には、アマゾンから配達されたトイレットペーパーを殴りまくっていた。

そして、私の頭に最悪のワードがよぎったのだ。
「この努力と苛立ち、どこで評価されるの?全部、ディレクターの予算につくんじゃないの?」

そう、社内ディレクションに評価軸がないのだ。
ふ〜ざけんなよ、と思った。
建前でもいいから、なんか数値として見えるもんつけろよ、ば〜か、と思った。

っていうか、制作仕様もサーバーのことも理解してきたのに、
永遠に私、社内ディレクションなの?
お客さんに私が考えたこと、少しも伝えられないの?

だって、社外ディレクションの全員男じゃん! っていうか、次社外ディレクションに配属決まったのも、全員男じゃん!

会社から
「まぁ、女の子なんてすぐ辞めるし、育てようなんて思えないかな〜。
ってか、コーダーやデザイナーの気難しいおじちゃん達もお願いしてくるのが女の子のが楽しいでしょ?」
って言われている気がした。
(若干の被害妄想を含む)

芽生えてしまった被害妄想は、様々な点をその妄想の裏付けとして吸収し、
急激に肥大化。
もう消せないところまで来てしまった。

真っ黒な被害妄想(マイルドな言い方)の憎しみの海の中で、会社に裏切られたと思った。
私の心の何処かで「男の子はそうやってコストをかけて教えてくれるのに、私はなんでずっと雑用なの?教えてよ」って思ってた。
そういう風に求めていたんだと思う。

絶望に荒み、トイレットペーパーをタコ殴りにしていたその時、
心の中のレントン・サーストンが突然叫んだ!

「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん!」

ついでに、レントン・サーストンの由来、レントン from Trainspotingも叫んだ! 「Choose your life!」(こっちは皮肉にもって感じだけど)

会社に求めるのはやめようと思った。
求めても得られない。その失望が、絶望につながった。 今はそう思うんです。

現在(2018年春)

そして、時は流れ(そんなに流れてませんが)、現在。
次の月曜日は入社式。そして、公開作業。ええ。仕事もありますわ。

何も成長しないまま2年間を過ごしてしまった私。
クソみたいな社内ルールの荒波をいかに乗りこなすかだけを覚えてしまった私。
ちょっと切なくもなります。ああ、24歳。迷える子羊。

で、今は切実に転職のためにスキルが欲しい。
というか、この記事の冒頭の通り、私、コーダーになりたかった。
っていうか、正直、今はHPよりもウェブアプリケーション作りたいんだな。

そういうわけで、なんかいいコースはないでしょうか。
ストレス発散でやっていた、UdemyのCokt先生によるNEMを使った超絶簡単なRESTアプリは作れるようになりましたが、
こんなのではまだまだ働けんということは、わかっているのです。

まだ半年から一年は今の会社で働くつもりです。
大きい案件に携われそうなんで。

ねだるな(ただし、適度にはねだろう。人事相談とか。あのね、ムッチャ悪い会社ではないのよ、悲しいことに)、
勝ち取れ(とはいえ、普段のストレスで頭やばいので、休み休み)、
さすれば与えられん(到達!目標!転職!ちなみに、人生の最終目標は、どこでも働ける)

という感じで、私の転職に向けた取り組みは始まったのであった。
乞うご期待!

ちなみに簡単なNode.js、Express、Mongodbによる開発を試せるUdemyの下の講座はおすすめです。
英語だけど、Colt先生超チャーミングだし、冒頭の方でマグカップ持ってるの可愛い。
www.udemy.com